実話〜Jituwa〜
おじいちゃん

私がまだ二歳の頃なので母親から聞いた話――――。



当時、アパート住まいをしていました。


テレビドラマ等でよく出てくる『〇〇荘』を想像してくれたら、分かりやすいかも……。



――ある真夜中……。


就寝中の母親が、私の笑い声で目が覚めたそうです……。



ゾッ………とした母親が思わず、


「……何してるの!?」


私に聞いた時―――。



私は、




「おじいちゃん来た!」


「なっ………!!」



硬直してしまったそうです。



勿論、母には見えないが、私が手を叩いて喜んでいたものだから、絶句して私を見た時――……。




リリリリィ〜〜………ン――
(当時は黒電話)




電話の音に驚き、ビクビクしながら受話器をとった母は絶句………―――――。




『実父の死去』――――――――。




母は瞬時に理解したそうです。


お別れにきたのだと…………。




当時、妹と写した写真には何故か、禿げたお年寄りが写り込むことが多かったです。


何年か経って、遺影のおじいちゃんと同じだったことに気付いた時、嬉しい気持ちになりました。



――だって……全ての写真が満面の笑みだったから…――――。
< 1 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop