実話〜Jituwa〜
おじいちゃん
私がまだ二歳の頃なので母親から聞いた話――――。
当時、アパート住まいをしていました。
テレビドラマ等でよく出てくる『〇〇荘』を想像してくれたら、分かりやすいかも……。
――ある真夜中……。
就寝中の母親が、私の笑い声で目が覚めたそうです……。
ゾッ………とした母親が思わず、
「……何してるの!?」
私に聞いた時―――。
私は、
「おじいちゃん来た!」
「なっ………!!」
硬直してしまったそうです。
勿論、母には見えないが、私が手を叩いて喜んでいたものだから、絶句して私を見た時――……。
リリリリィ〜〜………ン――
(当時は黒電話)
電話の音に驚き、ビクビクしながら受話器をとった母は絶句………―――――。
『実父の死去』――――――――。
母は瞬時に理解したそうです。
お別れにきたのだと…………。
当時、妹と写した写真には何故か、禿げたお年寄りが写り込むことが多かったです。
何年か経って、遺影のおじいちゃんと同じだったことに気付いた時、嬉しい気持ちになりました。
――だって……全ての写真が満面の笑みだったから…――――。
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