実話〜Jituwa〜
職場にて……2
これは、職場の会議中のお話しです。
会議は週1でありました。
その日もいつもと同じように進んでいました。
いつもと違うことが、ひとつだけ………。
スタッフのみんなには、自動ドアが誰もいないのに勝手に開いたり、閉まったりするように見えているようでした。
十回位そんな状態で、とうとう自動ドアのスイッチ自体を切りました。
ところが、また、開いたのです。
所長以下、スタッフのみんなは震え上がり、会議どころではありませんでした。
そのころ、スタッフの中に一人だけ、私の体質を知っている人がいました。
その人が、私だけに聞いてきました、
「何かいるの?」――と。
言おうか迷っていました。
変に怖がらせても………そう思っていました。
「藤色の着物を着たおばあさんがね、………」
口が勝手に動いていました。
すると、所長が椅子を倒す勢いで立ち上がり、事務室へ走って行きました。