ほんの少しの、愛を添えて -詩集-
Vision

理想の自分になりたくて
近付きたくて
必死になって
理想を演じていた


心に浮かぶ感情を
見て見ぬふり
模範的な言葉を
常に並べていた


少しずつすれ違い
いつしか大きな溝が出来て
本当の気持ちを
伝えられなくなっち


疑心暗鬼
襲うは真っ黒な世界
落とされる
奈落の底に


信じられなくて
きっと嘘をついている
近付けなくて
理由並べて遠ざけた


もしかしたら
思うより世界は
優しくて暖かくて
いいのかも知れない


甘えられたら
楽になれるかな
弱さを見せても
叱られないかな


理想の自分は
向き合えばとても曖昧で
硝子のような存在
触れたら壊れそう


流される生き方に
サヨナラを告げて
選んだ道を
歩んでいきたい


新たに描く理想は
強いイメージで
顔を上げて
ゆっくり進もう


生まれた想いを
強く強くだきしめて


.
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