嘘と約束~イブの前夜に
「それでね、男子3人位が寄ってきて、いきなり押し倒されて…隣では、友達も同じように…」

また未樹は泣き出した。麗那は、おそるおそる聞いてみた。

「もしかして、その誰かとなの?無理矢理?」

「うん」

頭が真っ白になった。悲しくなった。

「検査間違えてない?もう一回やってみようよ」

「多分…薄く反応が出たの。う~ん?出てた感じだったのかも。でも、もう半月以上遅れてるの」

「いい!今日学校終わったら、まず一回家帰って、それから検査薬買いに行って一緒に調べてみよう」

意外にも、冷静に言葉に出したが、ガタガタと足は震えていた。間違いであってほしい。
「未樹、その男子って誰だかわからないの?」

「友達達がナンパされて、着いてきたって。大学生とか言ってたんだけど」

「どうして、そんな中にいたの?」

「だって麗那がうらやましかったんだもん。隆秀君といつも一緒でさ。私だって恋したいし…」

何も言えなかった。未樹に寂しい思いさせてたことなんて考えもしないで、自分の事ばかり考えていた。剛君を好きな未樹の気持ち考えてあげもせず、何て冷たい友人なんだ私って…

教室に戻って、先生から小言を言われた。私も未樹も、就職組なので、就職先の内定もあり、後は授業をこなすだけ。大した支障はなかった。

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