嘘と約束~イブの前夜に
トイレを出て、ホッとしたせいか、喉がかわいていた。ベンチに腰をおろし、買ったジュースを一気に飲んだ。
未樹も疲れている様子だったので、その後二人は家に戻った。

明日はきっと、女の子の日がきますように。って…

夜、部屋でボッーと音楽を聞きながら、隆秀の事を考えていた。将来を約束してる仲とはいっても、まだ自分もやりたい事もあるし、子供なんて、まだ育てる事だって、難しい。
愛してるからなんて、隆秀を受け入れる事で、自分にもふりかかる不安。今までは大丈夫だったから。そんな簡単には言えない気がしていた。


いつもと変わらない朝のはず。昨日考え事していたせいかな?何となく頭が重かった。制服を着て、机にふと目をやると、隆秀にもらった指輪がキラキラしていた。

「おはよう!麗那。聞いて、やっときたよ。心配かけてごめん」

「えっ!本当に!良かった~」

未樹の顔は明るかった。女の子の来るものがやっと来たと。きっと安心したことが良かったのかもしれない。麗那も朝から嬉しい気持ちになった。

教室に入って、鞄を置いた時に、隆秀が入ってきた。

「麗、おはよう。どう?昨日の件は解決した?」

「無事解決~!」

「良かったな」

「うん」

そんな会話の中、未樹に視線を。ところが、朝の笑顔とは違い、表情はかたかった。

休み時間、昨日自分に時間を取ってもらったからと、未樹は別の友達と一緒にいたので、今日は、隆秀と一緒にいた。
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