嘘と約束~イブの前夜に
「あいつが免許持ってたのは知ってたのか」
どう答えたらいいか、麗那は迷った。嘘をついて、後で合わなくなったら困るし、嘘をついたら、もっと大変な事になるような気がしていた。

「免許は…知ってました」

「知ってるさな~お前、あいつのバイクにも乗ってただろう。これは、見たやつがいてな。全く困った事してくれたわ」

「お前、鞄の中見せてみろ。タバコは吸ってるのか?」

「吸ってません」

「あいつは、吸うのか?」

隆秀がタバコを吸っているのは知っていた。でも麗那が吸わないので、ほとんど麗那の前では吸わなかった。だから

「吸わないと思います」

そう答えるしかなかった。

「あと、車に乗ったのは何回だ」

「先日遊びに行って…でも、お兄さんが一緒に…」

「わかってると思うけどな、これから親に報告書するから。あと、処分は、職員会議にかけて、明日以降知らせるから。お前も、もっとまともなやつと、付き合え!」

そう言って、教師は一旦、教室を出て行った。廊下で二人の教師の話し声がしていた。
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