嘘と約束～イブの前夜に

制服を着て、髪を整えると、隆秀は麗那の手をにぎり、階段を降りた。

居間では、隆秀の両親が笑顔で迎えてくれた。

「隆秀は麗ちゃんの事本当に大好きなのね～ご飯食べる時位少し離れてあげないと、麗ちゃん食べにくいでしょ～」

「隆秀の嫁さんになってやってな麗ちゃん」

お父さんは、お酒を飲んで、気分がいいようだった。

「麗、食べよう！あんまり言うな。食べにくいよな～親父に言われなくたって、結婚するもんな～」

照れ笑いしながら、楽しく食事を終えた。

部屋に戻ると、隣の部屋から兄貴が来て

「さぁ帰るのか～隆秀の運転じゃまだ麗ちゃん危なかっしいから、俺も行ってやるから、用意しときな」

「マジで！兄貴も一緒かよ」

隆秀の両親に挨拶をして玄関を出た。ピリピリと冷たい風

「寒い～」

「大丈夫か？ちょっと待ってて」

車庫から、兄貴が車を出してくれた。赤い車。

「麗、どう？麗が好きって言ってた赤い車だよ。」

「すごい！可愛いい」

「さぁ～姫！助手席にお乗りください」

兄貴は後部席に乗った

「飛ばすなよ！」

10分ほどして家の近くに着いた。

「無事到着！緊張した？また明日な～」

兄貴が乗っているのもおかまいなしで、隆秀は、麗那を引き寄せキスをした。