氷雪花Ⅲ
「・・・これが、全て」


・・・全て聞き終わった後、私はただ泣いていた



・・・信じた者に裏切られた


ただ、それだけが雪華の頭を埋め尽くす

・・・分かっていた



分かっていた


「信じる」という行為がどれだけ恐ろしいのかを・・・!



でも・・・玲様は・・・裏切らないと思ったいた・・・のに・・・!!




「・・・サイテー」

「いいよ、サイテーでも

だって、俺は自分だけ快楽を得るために行動していた


・・・逆に言えば、俺は他の奴らがどう思っていようと踏みにじる」



・・・憎イ


両親ヲ殺シテオキナガラ、悪気モ無クハナス玲様ガ憎イ



「・・・!?」

「・・・やっとですか・・・」



雪華の体からあふれ出す、「憎しみ」を籠められた殺気



ドサッ  ドサッ


玲とナイトメア以外、そこには誰も立てなくなっていた



・・・マリオネットや、冷王も苦しいのか顔を歪めている


・・・そこには、「鬼神」と化した雪華



もう、自我はなくなっているのだろう



白銀の瞳が、赤く染まって発光しているように見える


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