氷雪花Ⅲ
どうして泣く?


どうして、そんなにも雪華に執着する


・・・今更、琉架という奴に記憶を返したくないと思ってしまった


・・・こいつに返したら、私は・・・


・・・恐らく、もう二度と出られない


運が悪ければ・・・私は消える


・・・眠りにつくのは嫌だ


でも、もう消えたい


二重人格なんて、いいこと無いな


「・・・?

どうして、泣いている」


「・・・何でもない

やるぞ」


また、首筋に牙を当てる



終わったとき・・・私はもういなくなるのだろう


「雪華」・・・お前はたくさんの奴に愛されている


私は誰一人、必要とされなかった


だから、私は・・・お前が・・・




分からない


分からないんだ!!


「・・・白愛?

白愛!白愛!

白愛はどこにいる!!?」


この男は涙も流さず、雪華が生きていると願うのか


真実は話さないが、少し話そう



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