最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「……………え…?」
「嘘だろ……?」
鮎沢さんと、坂原の驚きの声が聞こえる。この事は、坂原にも言ってなかった。
「本当ならね、もっとゆっくり進行する病気なのに、あたしは違った!!運無いよね、本当。これこそ不運だよ。」
そう言って笑う。あたしはフェンスに近付いた。
「でもさ、鮎沢さんは違う。健康に生まれて、目だって見える、耳も聞こえる。五体満足でしょ?」
あたしは両手で自分の目を覆った。視界が真っ暗になる。