最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「この病気と、恐怖と…ずっと一緒に生きていかなきゃいけない。」
運命共同体であるあたしの病気は、少しずつあたしの体を蝕んでいく。あたしの世界を喰らっていく。
「あたしが一番欲しいのは健康な目。その為ならなんでもする。あなたはあたしの一番欲しいモノを持ってるのに、捨てるの?」
そんな事……絶対に許さない。
「ずるいよ……。あなたは幸せなのに。ずるいよ…。」
もう涙で何も見えない。悔しくて、悲しくて、胸が一杯だった。
「簡単に捨てないで。1つしか無いんだから…。それに、あなたは1人じゃないでしょう?」
フェンスによじ登り手を伸ばした。
この手をとって……。どうか…その命を捨てないで…。