最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「え?何が?」



鮎沢さんはただただ頭を下げる。どうして謝られているのか、全く分からない。


「漣さんの事、傷付けました…。」



ポロポロと涙を流していた。それで………。鮎沢さんは悲しそうな顔をしてたんだ。



「…ありがとう。ありがとうね…。」



そう言って鮎沢さんを抱きしめた。ありがとう…。あたしの為なんかに悲しまなくていい…傷付かなくていい…。



「ありがとうだなんて…。そんな事言われる資格…。」



そう言ってまた俯こうとしている鮎沢さんの頬を両手で包んだ。









< 107 / 318 >

この作品をシェア

pagetop