最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「…………………。」
家を出て行き先も決めずに歩く。気付いたら坂原の家の前に来ていた。
「…あたし……何やってるんだろう……。」
嘲るように自分を笑う。坂原に会いに来てどうするの?
「馬鹿だなぁ…あたし…。」
踵を返して歩き出す。
「お姉ちゃんっ!!」
後ろから、誰かに抱き着かれた。
慌てて振り返ると、柚ちゃんがいた。
「柚ちゃん………。」
あたしは柚ちゃんに向き直り、屈んで目線を合わせた。