最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「柚ちゃん…ごめんね…。柚ちゃんに幸せがどうとか言ったくせに、お姉ちゃん…もう………。」
涙が出そうだ。あたしには…鮎沢さんに命がどうとかいう資格も、柚ちゃんに幸せがどうとか言う資格は無い。
あたしはこれから…逃げるのだから…。
この世界から…病気から…運命から…。
「お姉ちゃん??」
不思議そうにあたしを見上げる柚ちゃんの頭を、優しく撫でた。
「柚ちゃん……バイバイ…。」
そのままあたしは走り出した。柚ちゃんの顔も見ずに。