最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「あなたの名前は何ですか?」



先生は、あたしと目線を合わせるようにして屈んだ。


名前……?あたしの名前は…。



「漣 幸です。」



どうしてそんな事聞くの?



「此処にいる人達の中に、知らない人はいますか?」



そんなの……。知らない人ばっかりだよ。あたしは此処にいる人達全員知らない。




「全員知らない。」



あたしの言葉に、その場の全員が息を呑んだ。



「やっぱり……。間違いなさそうですね。」



そう言って先生は立ち上がる。










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