最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「通訳になりたくて…英語勉強してたんだよね。」
そう言って苦笑いを浮かべる。してた……。
「してた……?あたしは今も、英語の勉強をしていたんじゃないの?」
自分自身に問い掛けても、返事は返ってこない。
ガシッ
「…あ………。」
本を棚に戻そうとしたら、肘が何かにあたった。
「…写真…?」
写真立てだ。ちょうど伏せた状態で倒れている。それを手に取った。
「あたしだ……。」
それは、この家の人達とあたしが、一緒に写った写真だった。