最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「…んっ…ふあぁ…」
目を覚ますと真っ暗だった。この感じが、妙に懐かしい。
着替えて下に降りると、良い匂いがした。
ガチャン
「おはようございます。」
リビングに入る。皆が一斉にあたしを見て固まった。
え……何……?
「あ、お、おはよう幸。早く座って。ご飯出来てるから。」
お母さんは驚きと、嬉しさが、混じったような顔をしている。
「幸、体調は大丈夫か?」
お父さんは、読んでいた新聞を閉じて、あたしの隣に座る。
「お姉ちゃん!ご飯はどれくらい食べる?」
しゃもじを振りながら、望が尋ねてきた。
「あ…えっと…少しだけ。」
「いっぱい食べなきゃ駄目よ。幸は小さいんだから。」
お母さんは嬉しそうに笑っている。お母さんだけじゃない、お父さんも望もだ。
なんだろう…この違和感は…。まるで、今までずっと離れ離れだった家族みたい。再開を喜んでいるような…。
「いただきます。」
そう言って食べたご飯は、とても美味しかった。何より、皆が楽しそうだったから。