最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「…んっ…ふあぁ…」


目を覚ますと真っ暗だった。この感じが、妙に懐かしい。




着替えて下に降りると、良い匂いがした。



ガチャン

「おはようございます。」



リビングに入る。皆が一斉にあたしを見て固まった。


え……何……?



「あ、お、おはよう幸。早く座って。ご飯出来てるから。」



お母さんは驚きと、嬉しさが、混じったような顔をしている。



「幸、体調は大丈夫か?」




お父さんは、読んでいた新聞を閉じて、あたしの隣に座る。



「お姉ちゃん!ご飯はどれくらい食べる?」



しゃもじを振りながら、望が尋ねてきた。



「あ…えっと…少しだけ。」



「いっぱい食べなきゃ駄目よ。幸は小さいんだから。」




お母さんは嬉しそうに笑っている。お母さんだけじゃない、お父さんも望もだ。


なんだろう…この違和感は…。まるで、今までずっと離れ離れだった家族みたい。再開を喜んでいるような…。




「いただきます。」



そう言って食べたご飯は、とても美味しかった。何より、皆が楽しそうだったから。









< 143 / 318 >

この作品をシェア

pagetop