最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「…おばさん…大丈夫ですか?」



坂原はあたしをソファーに座らせて、お母さんに駆け寄る。



「…坂原君ね……。来てくれてありがとう…。」



お母さんは弱々しく笑った。



「…おばさんは…幸さんにそっくりですね…。」



坂原の言葉にお母さんは目を見開く。



「辛い時こそ、人を遠ざける所です。」



坂原はお母さんを支えてあたしの隣に座らせた。



「おばさん、親子はちゃんと話し合うべきです。僕には母親がいません。だから、こういう事があっても、話し合う事が出来ない。でも、二人は違う。こんなに近くにいるんです。ちゃんと話し合って…逃げないで下さい。」



そう言って坂原は立ち上がる。



「望ちゃん、他の部屋で待たせてもらってもいいかな?」



「あ…はい、じゃあこっちに。」




二人は部屋から出ていった。部屋は沈黙状態だ。







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