最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「翼!!同じ手にはひっかからないぞ!!」


「うわぁっ!!お兄痛い〜!!」



お風呂から上がると、坂原と翼君が、取っ組み合っていた。



そんな光景に、自然と笑顔になれる。坂原の家の事は聞いていたけど、やっぱり暖かい絆があるから、お母さんがいなくても、こんなに笑顔が絶えないんだ。



「あれ…でも……。」



こんな光景を、前にも見たような気がする…。


…ズキンッ



「痛っ……。」


「お姉ちゃん…?」



痛みに顔を歪めると、柚ちゃんが心配そうに、あたしを見上げる。



「大丈夫…だよ。」


何かを思い出そうとする度、頭痛が襲う。









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