最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「じゃあ目玉焼きを作りたいと思います。」


顔を洗って台所に戻ってくると、三人でエプロンを付けて料理を始める。



「まず柚ちゃんから。椅子の上に乗って。」



柚ちゃんや秋君の身長だと台所は少し高すぎるから、台代わりに小さい椅子を置いた。



「黄身を潰さないように、こうやるんだよ。」



最初にお手本を見せて、目玉焼きを作る。



「で、ひっくり返す。」


「お姉ちゃんすごーいっ!!」


柚ちゃんは目を輝かせて、目玉焼きを見つめている。



「僕も見たい〜っ!!」



秋君は柚ちゃんの、服の裾を引っ張る。



「秋君、もう少し待ってね。じゃあ柚ちゃん、卵割ろうか。」




柚ちゃんに卵を渡す。柚ちゃんはそれを受け取ると、コンコンと卵にひびを入れる。



「じゃあフライパンで割ろうね。」


「う〜。」



物凄く慎重に卵を少しずつ割ろうとしている。そんな姿が可愛いくて、小さく笑った。











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