最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「さか…は……げほっ…。」


声が出ない。思いの外、水を飲んでしまったようだ。



「…っ…良かった……。生きてた…本当に良かった…。」



ポタッ…ポタッ…



自分の頬に、水滴が落ちる。顔を上げると……。




坂原が泣いていた…。



「泣…いてる…の…?」



坂原の頬に触れると、温かい涙の跡があった。



「馬鹿!!死んだらどうすんの!!」



ギュッ


坂原はあたしの体を、強く抱きしめた。息が出来ないくらいに…。



「…………坂原。あたしはね…死にたかったの。あの時も…今も。」



死にたかった…。消えてしまいたかった…。



胸が裂けてしまいそうだ。生きてなんて…いたくない。









< 186 / 318 >

この作品をシェア

pagetop