最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「さか…は……げほっ…。」
声が出ない。思いの外、水を飲んでしまったようだ。
「…っ…良かった……。生きてた…本当に良かった…。」
ポタッ…ポタッ…
自分の頬に、水滴が落ちる。顔を上げると……。
坂原が泣いていた…。
「泣…いてる…の…?」
坂原の頬に触れると、温かい涙の跡があった。
「馬鹿!!死んだらどうすんの!!」
ギュッ
坂原はあたしの体を、強く抱きしめた。息が出来ないくらいに…。
「…………坂原。あたしはね…死にたかったの。あの時も…今も。」
死にたかった…。消えてしまいたかった…。
胸が裂けてしまいそうだ。生きてなんて…いたくない。