最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「好きだ………幸…。」
「…っ…あたしも…好き…陽………。」
お互いの唇が触れ合う。優しく…労るようなキス。
幸……
あたしは自分の名前が大嫌いだった。
幸せになれますように。そんな願いのこもった名前が…憎らしかった。
でも今は………。坂原に…陽に呼んでもらったあたしの名前。
幸せな気持ちになった。初めてあたしは、自分の名前が好きになれた気がする。
「…幸………。」
キスの合間に呟かれるあたしの名前。
あなたに呼ばれる度に、あたしは好きになっていくだろう。
あなたと……。自分の名前を……。