最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「…幸が甘えてくれるのが…嬉しかったって事!」
陽の言葉に、今度は心臓が騒がしくなる。
「…何言ってんの…馬鹿…。」
恥ずかしくなって、自分の顔を隠すように、陽の胸に顔を埋めた。
「………陽……?」
顔を埋めたまま名前を呼ぶ。
「………ん…?」
愛おしむような声が返ってきた。
「…あたし……陽の顔…ずっと覚えていたい。他の人の事はいい…。でも…陽の事だけは……忘れたく無いよ……。」
大好き……。誰よりも…。だからこそ…あたしの記憶を…あなたで一杯にしよう。忘れてしまわないように。
「…なら、俺だけを見ていて…。よそ見しないで…俺だけを…ね?」
陽は、あたしの頬に右手を添えた。あたしは自然と目を閉じる。
唇に柔らかいモノが触れる。最初は優しく…重ねる度に深く……。
大好き…あなただけをずっと好きでいるから…。
あたしの世界が、陽で一杯になるまでは……。
あたしから視力を奪わないで……。