最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「ここは………。」
陽に連れられるままたどり着いたのは、大きな植物園だった。
「植物園!幸が好きそうだったから…じ、地味…だった……?」
不安げにあたしを覗き込む陽にあたしは笑顔を返す。
「そんなわけ…無い……。陽……ありがとう…。」
心の底から嬉しい。ざわざわした人通りの多い所よりも、静かに植物を見ているほうがずっと好きだ。
「良かった〜!!そんじゃ行こうか!」
陽はパッと笑顔になる。さっきまでの不安そうな顔は一瞬にして無くなっていた。
「うん!…陽…ありがとう。」
「何言ってんの。俺が幸と行きたかっただけだから!」
陽はあたしの手を握って歩き出す。その背中をあたしは笑顔で見つめた。