最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「で、でも…お葬式の花とか知らなくて…。こんな端っこに咲いててもさ、目を引く所とか、凛としてる所とか…さ……。」
陽の言葉に顔が熱くなる。そんな事言われたの初めてだ。
「幸と初めて会ったの、図書室が最初じゃないんだ。」
陽の言葉にあたしは目を見開く。どんなに記憶を辿っても、陽と出会った事なんて図書室以外思い出せない。
「幸は知ってる筈ないんだけど…さ…。俺、中学生の時荒れてたんだよ。」
「陽が!?」
考えられない。陽が荒れてたなんて…。想像も出来ない。
こんなに前向きで、明るい太陽みたいな人が…。
「あぁ…。あの時は母さんが家出てって間もない頃…だったからな。」
「……あ………。」
陽の悲しそうな横顔を見ると、胸が苦しくなる。
「そんで、夜遊びばっかしてたよ。本当どうしようも無い餓鬼だった俺…。でも、そんな俺を変えたのは幸なんだ。」
そう言って陽は、あたしを愛おしそうに見上げる。
「…あた……し……?」
戸惑うあたしの言葉に、陽は小さく頷く。それから、ぽつりぽつりと話し始めた。