最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「あなたは何でこんな所にいるの?」
今度は逆に、女の子から質問された。
「さぁね。」
女の子と同じように、さぁね返しをする。女の子はムッと頬を膨らませた。
「あっそう。」
そう言って歩き出してしまう。
「まぁまぁ、怒るなって!」
「怒ってない。」
そう言ったものの、顔は怒っている。そんな女の子が、可愛いと思った。
「まぁーあれだよ。俺は放浪中!」
「へぇー…。」
女の子は興味なさそうに言う。
「へぇー…って…。傷付くな。」
「はいはい。…いいじゃん放浪。あたしも放浪中だし。」
そう言って女の子は笑う。その笑顔につられて俺も笑った。
理由は分からない。でも、この子とは、気が合う。出会って間もないのに、こんなに会話が続し、皮肉も言い合える。