最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「あーまぁそうだよな。放浪良いよな。」
「うん。」
女の子と一緒に川原に座り、川を眺める。
「なぁー。幸せって何だろうな。」
「は?」
いきなり呟いた俺を、女の子は驚いたように見つめる。
「幸せって何?」
そう尋ねると、女の子は悩んでいるのか、空を見つめたまま眉間にシワを寄せている。
「…さぁ?人それぞれだと思うよ。人の数だけその人の幸せの形があると思う。」
女の子の言う通りだ。こんな事、聞いて分かる事じゃない。
ただ…知りたかった。母さんは小学校にも上がっていない兄弟達や、俺を置いて出てってしまった親父は、俺達をほったらかし。
そんなバラバラの家族。母親の愛なんて覚えて無い。
それは幸せなのか…?
いや…不幸だ。俺は一生親父を憎んで生きていくんだから…。
酒癖が悪い親父は、母さんに暴力を振るっていた。それに耐え兼ねて母さんは、家を出ていったのだ。
俺達を置いて……。