最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「…よくわからないけど…。健康に生まれてくる事が、本当の幸せなんじゃない?どんなに辛い事があっても、生きてさえいれば…体さえあれば、何とかなるもんなんだよ。」



女の子はそう言って、寂しそうに笑った。



寂しげな笑顔の理由。今の俺には分からない。でも、彼女も何か、思う事があるのだろう。



「そっか…。じゃあ俺は幸せ…なんかな。」



そう言う俺を、女の子は笑顔で見つめてくる。そして、静かに頷いた。



「今が幸せじゃ無い…そう思うなら、幸せになればいいんだよ。」



「幸せになる…か…。そうだな…。なんか軽くなったよ…色々とさ…。俺、意地でも幸せになってやる。今までは逃げてただけで、いつも他人のせいにしてた。だから……もっと自分と向き合うよ。」



そう言って、俺は川原にねっころがる。



心の枷が、少し軽くなった気がした。



俺は、誰かに言って欲しかったんだ…。



『お前は幸せだと』



彼女の言葉は、自然と心に染みていくようだった。



「ありがとな!」



そう言って俺は笑う。もう一度…本当に笑えたのは、彼女のおかげだ。



「何が?…あなたって変な人。まぁ…よく分からないけど…。でも、前向きで良いと思うよ?その方があなたっぽい。」


女の子は優しく笑った。





彼女との出会いが、俺を変えた。



何処の誰かも分からない…。一人の女の子に、心を救われたんだ。









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