最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「そっか…今日だったんだ。誕生日……。」
「幸の家族は、みんな知ってたよ?」
陽の言葉に、心が温かくなる。お父さん、お母さん…望………。
「そっか……。」
込み上げる嬉しさを噛み締めながら呟く。そんなあたしを、陽は優しい眼差しで見つめていた。
「幸、目…つぶって…?」
陽はそう言って、あたしの瞼に口づける。
「わっ…よ、陽!?」
目を開けようにも、陽の唇がそれを邪魔する。
仕方なく目を閉じて大人しくしていると、首に何か冷たい物が触れる。
「…な、何!?」
その冷たさに、目を開けそうになる。それを必死に我慢していると、陽が小さく笑った気がした。
「うん!完璧!」
陽の一言で目を開ける。
「似合ってるよ…幸。」
そう言って、陽は自分の首にかかる片翼のペンダントを見せてきた。
「幸とお揃いなんだ。誕生日プレゼント!」
陽はニッと笑う。