最後の世界がきみの笑顔でありますように。
今日は普通に授業に出る。危ない単位が朝から続いているのだ。
「幸ちゃん!一緒に体育に行こう?」
ジャージに着替えていると、鮎沢葉月…葉月が、笑顔であたしに声をかける。
この数ヶ月で、葉月の敬語がやっと取れてきた。名前で呼ぶ仲にもなった。
彼女はあたしの友人だ。葉月があたしを友人だと言ってくれたから。
「うん。行こう。」
そう言って立ち上がる。今日は雲りだ。太陽もあまり出ていない。
「今日は平気そう…。」
「どうかした?」
窓の外をぼーっと見つめているあたしの顔を、葉月は心配そうに覗き込んでいる。
「どうもしてないよ…。行こうか。」
あたしは、心配させないように笑顔を返した。
「うん!」
葉月は笑顔であたしの手を掴む。