最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「ありがとう…。」
葉月はあたしが、他の人とぶつからないように手を引いてくれる。
いつも…自然に。頼んだわけじゃない。あたしが病気の事を話したら、力になりたいと言って支えてくれている。
優しい子…。あたしの友達。親友ともいう。
持つべき物は、沢山の友人より、たった一人の親友。
本当にそう思う。上辺だけの友達なんていらない。本当に信頼し合える誰かが一人いればいい…そう思う。
「葉月、いつもすごく助かる。本当…ありがとう。」
あたしの言葉に、葉月は首を横に振った。
「私なんか…全然幸ちゃんの役に立ててないよ…。あたしはいつも幸ちゃんに救われてばっかりなのに…。」
「あたしは何もしてないよ?あたしの方こそ、葉月に沢山助けられてばっかり。」
いつだってそう…。助けられてばかりで、何も返せていないのはあたしの方だ。
「幸ちゃんの…何気ない一言に、あたしはいつも救われてるんだよ…。」
葉月はそう言って、優しい笑みを浮かべた。
「…そう……。それならあたしも一緒。あなたの言葉の一つ一つに、あたしは救われてる。」
優しく気遣ってくれる葉月の言葉に、何度も助けられている。