最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「坂原!ナイス〜っ!!」
「お前はスポーツだけは天才的だよな!!」
陽の周りには、沢山の友人が集まっている。
「だけはって…失礼だろ!!」
陽の言葉に、周りの人間がワッと笑う。彼には周りの人間を笑顔にする力がある。
そんな陽は、あたしの自慢だし…誇らしい…。
あたしの彼氏である事さえすごい事なんだよね…。
「漣さん!!パス!!」
「あ、うん!」
慌ててボールをキャッチする。あたしはドリブルをしてゴールへと向かった。
ドンッ…ドンッ…
バッ
「え!?」
突然、目の前に人が現れた。まるで、瞬間移動したかのように。
ドンッ…ピーーッ!!
あたしは目の前に現れた子とぶつかってしまった。
起き上がろうとして、手を地面に付けた瞬間ー…。
「…痛っ……。」
鋭い痛みが、手首に走った。慌てて手首を押さえる。
「漣さん!!大丈夫!?」
あたしとぶつかった女の子が、心配そうにあたしを見つめている。