最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「あたしは…大丈夫。あなたは?怪我無い?」
慌ててその子を見つめると、その子は膝を怪我していた。
「…あ……ごめんなさい…。膝が……。」
あたしとぶつかったせいで、怪我をさせてしまった。
これも視野狭窄のせいだ。あたしの目は少しずつ…確実に、視野が狭まっている。
だから人が突然現れたように見えたんだ…。
「これくらいどうって事無いよ!それに、ぶつかったのは、漣さんが悪いんじゃないし。」
そう言ってその子は笑った。その笑顔が苦しい。
あたしのせいで…。たとえそれがどんなに小さな傷だったとしても、負わせたのはあたしだ。
みんなに交ざって…ただ普通の女の子でいたかったから…。
『障害者だから』と、区切られたくなかったから…。