最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「…………………。」
黙りこくるあたしを、不安そうに女の子は見つめる。
「幸ちゃん!!」
すると、葉月があたしに駆け寄って来た。
「…葉月………。」
「っ!?」
顔を上げたあたしを、葉月は目を見開いて見つめた。
あたしが泣いていたからだろう。
「葉月、お願いがあるんだけど…。あたしはいいから、保健室に連れて行ってあげて?」
そう言って、ぶつかってしまった女の子に目を向ける。
「怪我させて…ごめんね…。」
それだけ言って、体育館を飛び出した。
「え?…さ、幸ちゃん!!」
葉月に名前を呼ばれたが、振り向かずに走った。
今は…誰とも会いたくない…。
あたしは無我夢中で走った。