最後の世界がきみの笑顔でありますように。
フワッ
「……え…?」
急に視界が真っ暗になる。誰かに頭から何かをかけられた。
ギュッ
そのまま、誰かに後ろから抱きしめられる。
その誰かは…あたしの良く知っている人だった。
優しい…太陽の匂い…。あたしが一番大好きな人。
「……陽…どうして…。」
「一人で泣かないでって…言ったじゃん…。」
強く強く…陽はあたしを抱きしめる。
「…俺…幸の傍にいる。幸の目が見えなくなっても…傍にいる。」
陽が紡ぐ言葉達が、あたしの心を太陽で照らしたみたいに温かくしていく。
「だから…一人で泣かないで…。」
返事をせずに、何度も頷いた。涙が邪魔して声が出せないから…。
ギュッ
自分から陽に抱き着く。陽は優しく抱きとめてくれる。
「…ひっく…あた…しっ…の目…駄目になってく…。あたしはっ…やっぱり…みんなと同じ…には…なれないんだ…っ…。」
しがみつくように、陽に抱き着く。陽はあたしの頭を、優しく撫でてくれた。
「…幸は…俺等と何も変わらない!!何も…変わらない…。」
陽はあたしの頭にかかるジャージを取った。
急に視界が開ける。顔を上げると、真剣な顔をした陽がいた。