最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「おはよう幸!!」



外に出ると、いつものように笑顔で待つ陽がいた。



「…おはよう。」



こんな毎日が…あたしにとっての幸せ。



いつものように学校へ向かう。勿論、二人で登校だ。冬休みも近い。登校する日も、指で数えられるくらいだ。



「幸!!これ見て!」



陽はポケットから、猫のキーホルダーを取り出す。



「…え?どうしたのそれ…。」



「柚がさ、どうしても欲しいっていうからゲーセンで取ったんだけど、二つ取れたから!」



そう言って、あたしにキーホルダーを渡す。



「…え…?」



渡されたキーホルダーと、陽の顔を交互に見つめると、陽は小さく笑ってあたしの頭を撫でた。



「あげるって事〜!」



「あたしにくれるの?」



陽はうん、うんと頷く。



「ふふっ…ありがとう…。」



あたしは、猫のキーホルダーを見つめながら、笑顔を返した。









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