最後の世界がきみの笑顔でありますように。
ガラガラガラッ…
図書室に入って机に鞄を置く。それからあちこちペンダントを探した。
「…無い………。」
どこにあるの…?あれは…陽から貰った大切な物なのに…。
地面に手をついて探す。
「…ははっ…どうして…かな…。」
小さく笑って座り込む。
「泣かないって言ったのに…。やっぱり…無理みたい…。」
涙が頬を伝う。どんなに強くなろうとしても…陽の事だけは……。
「…ほらよ。」
突然背後から声が聞こえた。目の前には、無くした筈のペンダントが揺れている。
「…ぁ…………。」
あたしは驚きでペンダントを見つめたまま固まる。
「ほら。」
あたしの前に回り込み、ペンダントを手に握らせる。
「…あ…あなた………。」
あたしは目の前の人を見て目を見開く。それは、昨日本棚に隠れていた男の子だったからだ。
「あー…昨日はたまたまあそこに居ただけだから。悪かったな…なんか…。」
男の子は気まずそうに、後頭部をガシガシと掻く。
「あ…あたしこそ…すみません。ペンダント、ありがとう。」
そう言って、手の中のペンダントを見つめる。
「…必死に探したりして…あたし何してんだろう…。」
陽の事は忘れなきゃいけない。終わったんだから…。
あたしから…そう決意したんだから…。
「馬鹿…みたい……っ…。」
またポロポロと涙が溢れる。目の前の男の子は、驚いたように目を見開いた。
「…お、おいっ…泣くなよ…。」
男の子は面倒くさそうに、あたしの涙をガシガシと袖で拭う。
「…えっ…わっぷ…!?」
驚いて男の子を見上げると、男の子は小さく笑った。