最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「……俺が…見ててやるから…。」



「…え………?」



七瀬の言葉に、あたしは首を傾げる。



それってどういう意味?



「お前の事…見ててやる。泣いてる時も、笑ってる時も…。だからお前は一人じゃねーよ。」



そう言って、七瀬は不器用に笑った。



あまり笑わない七瀬の笑顔は、レアモノだ。そんな笑顔を見られただけで、不思議と心が軽くなった。



「…ありがとう…七瀬…。」



だから…泣き笑いだけど、精一杯の笑顔でお礼を伝えた。



あたし…一人じゃない。だから頑張ろう…そう思える。



キーンコーンカーンコーン


「やべ…体育………。」



七瀬は面倒くさそうに立ち上がる。七瀬も体育の単位だけは危ないようだ。



「行ってらっしゃい。」



「おー…。そんじゃあな。」



それだけ言って、図書室を出て行った。



あたしも立ち上がり、窓に近付く。窓を開けると、寒い冬の風が髪を撫でた。



「……どうか…もう少しだけ…。あたしに時間を下さい。もう少しだけ…。」



もう少し…。世界を見ていたい。治してなんて贅沢言わないから…。



ねぇ…神様……。











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