最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「…七瀬……?」
あたしは七瀬の名前を呼ぶ。何があったのか、聞きたかったから…。それでも七瀬は何も答えてはくれない。
「…あんたが…。あんたがちゃんと守ってやらないから、こいつがこんなに苦しんでんだよ!!」
七瀬の怒鳴り声が聞こえる。陽の声は全く聞こえない。
何が…どうなってるの…?
「曖昧な態度で…こいつを苦しめんな。あんたがこいつを守れないなら…俺が守る。」
七瀬があたしを引き寄せる。そのまま歩き出した。
「な、七瀬っ…陽は…?」
あたしは立ち止まり、七瀬の腕を引っ張る。
「あんな奴…止めろ。今までなら、あんたを応援しようって思ってた。でも、今会って分かった。あいつといても、お前が傷付くだけだ。」
七瀬は、立ち止まるあたしの手首を掴み、無理矢理引っ張る。
「陽の事…何も知らないくせに…悪く言わないでっ!!」
涙を滲ませて、あたしは足を止める。
「あたしのっ…あたしのせいなの!!陽は悪くないの!!」
だから…陽の事は責めないで……。あたしが…悪いんだから…。
「…馬鹿だな…あんたは…。」
七瀬はあたしをギュッと抱きしめた。
「…悪かった…だから泣くな。」
七瀬はあたしの頭を優しく撫でる。