最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「でも今日は、家に帰れ。遅いし、親も心配してんだろ…。」
「…でも………。」
今にも陽の元へ走り出そうとするあたしを、七瀬は止めた。
「…あいつと話してくる。大丈夫だ。何もしねーから。」
そう言って、七瀬はあたしの頬を両手で包む。
「大丈夫だから…。今日は休め。」
「……七瀬…………。」
あたしは七瀬に促されるまま、家に入った。
家に入ると、望が走り寄ってくる。
「良かった…お姉ちゃんごめん!!」
望は頭を下げた。そんな望に、あたしは笑顔を向ける。
「あたしの事、考えてした事でしょ?ありがとうね…。」
あたしは望の頭を優しく撫でて、部屋へ戻った。
バタンッ
「……陽………。」
今日は色々あった…。せっかく…陽の事を諦めようとしてたのにな…。
どんどん忘れられなくなっていく…。
「…七瀬………。」
七瀬に酷い事言っちゃったな…。七瀬だって…あたしの為に言ってくれたのに。
「…もう……どうすれば良いの……?」
真っ暗な部屋で一人呟いた。