最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「…………よぉ…。」
七瀬は、座り込んでいる陽に歩み寄った。
「…あぁ…さっきはごめんな…。」
陽の言葉に、七瀬は目を見開く。
「いや、俺が殴ったんだ。謝るのは俺の方だ。悪いな…。」
七瀬は陽の隣にドカッと座った。
「あいつ…まだお前が好きなんだよ。一回ペンダント無くした事あってな、そん時必死になって探してた。終いには泣き出しちまって…。」
七瀬は小さく笑う。
「あんなに必死に誰かを想える奴…そういねぇーよ…。」
七瀬の言葉に、陽は笑みを浮かべた。
「…あぁ……。」
陽はポッケからペンダントを取り出す。その羽を親指で撫でた。
「…お前等さ…お互いを想いすぎてすれ違ってるだけなんだよ。もう一度話し合えば通じ合えんだろ…。」
「……もう一度………。」
陽は小さく呟く。
「本当にあいつが大事なら、離すな。迷わず傍にいてやれ。」
七瀬は真剣な瞳で、陽を見据える。
「…お前………。いいのか?お前も幸が好きなんだろ?」
陽の言葉に、七瀬は笑う。
「馬鹿だな。好きだからだろ。あいつにはもう…泣いてほしくねぇんだ…。」