最後の世界がきみの笑顔でありますように。
あれから数時間後。窓を開けると、冬の冷たい風が部屋に入ってくる。
「…寒い……。」
陽…この中で待ってるんだよね…。まだ待ってるの?
「前にも…こんな事あった…。」
あたしと坂原が出会ったばかりの頃…。
「…陽………っ!!」
マフラーを手に部屋を出る。階段を出来るだけ早足で降りた。
「お姉ちゃん!?」
靴を履くあたしに、望が駆け寄る。
「何処か行くの!?」
「あたし…やっぱりほっとけないみたい…。」
あたしは苦笑いを浮かべて、家を飛び出した。
「…お姉ちゃん………。頑張れ…。」
望は、先程幸が出て行ったドアに向かって呟いた。