最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「はぁっ…はぁっ……。」


走れば走るほど、冷たい風が体温を奪っていく。



どんなに拒んでも…どんなに遠ざけても…。



やっぱり……心の何処かで、陽の事考えてる…。



ドンッ…ズシャッー!!



「…痛っ……。」


「前見て歩けよ!!」



人とぶつかり、転んでしまった。



「………痛いなぁ…。」


本当に…あたしは馬鹿だと思う。それでも…誰かの為に必死になれる事は幸せだ…。



あたしは立ち上がり、土も払わずにまた走る。



何度ぶつかったって…。



「陽に会いたいっ…。」










< 294 / 318 >

この作品をシェア

pagetop