最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「でも…あたしが可哀相で…一緒にいると疲れて…あたしといると大変だって…。」
頭がごちゃごちゃとしていて、ちゃんと言葉に出来ない。
「…俺は、人に頼る事を知らずに生きてきた幸が可哀相だって思ったんだ…。だから…傍に…一緒にいる事で、少しでも幸が甘えられるようになったらいいなって………。」
ギュッ
陽はあたしを強く抱きしめる。
「…幸…俺は…幸の傍にいたい……。幸が病気だからとか、そんなの関係無い。幸が好きだから…。」
「…陽……でも…あたし…。陽の傍にいたら…絶対重荷に………。」
「幸はどうしたい?重荷とか、俺の為だとか…そういうのはいいんだ。幸は…どうしたい?」
あたしは……。あたし自身が望んでいる事は…。
「…傍にいたい……。陽の傍に…いたいよ……。」
涙が頬を伝う。一緒にいる事で、陽に大変な思いをさせるとしても……やっぱり一緒にいたい…。
「…俺も……傍にいたい…。いさせて…。」
陽の言葉に、迷いが少しずつ消えていく。
「…あたし…も……。」
「…………ん…。」
言葉に詰まるあたしを、陽は優しい眼差しで見つめている。
「傍にいたい…。いさせて…。」
あたしの言葉に、陽は笑顔を浮かべた。そして、あたしの頬を両手で包む。
「…好きだ…幸………。」
そう言って陽は、あたしに口づけた。
深く…何度も…何度も…。今まで、離れていた時間を…距離を…溝を埋めていくように…。