最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「分かった。じゃあ後ろから見守ってるよ。」
「葉月…。信用してないの?」
「お手並み拝見。」
そんな葉月とのやり取りに、吹き出してしまう。
「卒業しても、葉月はあたしの親友だよ…。」
あたしの大事な親友…。
「…幸ちゃん……。あたしも…幸ちゃんは大事な親友だよ…。」
そう言って、お互いに笑い合った。葉月の顔は見えないけど、多分笑顔だ。
あたしは葉月と別れて前に進む。
カツン…カツン…
白状を頼りに前へ進む。最初は怖かったけど、今は大分慣れたほうだ。
「卒業おめでとうございます。先輩?」
至近距離から呟かれ、驚いてバランスを崩す。そんなあたしを、誰かが抱きとめた。
「動揺しすぎだろ。」
呆れたように言い放つこの人物には、心当たりがある。
「…七瀬?あたしの事先輩だって思ってないでしょ。」
年下のくせにあたしより大人っぽい七瀬だ。
「良く分かったな。」
あたしを支えながら、七瀬は笑った。
「…もう…。七瀬、今のあたしがいるのはあなたのおかげ。ありがとう…。」
七瀬に向かって頭を下げると、七瀬はあたしの頭に手を置いた。