最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「…本当…危なっかし…な…。幸…は…。」
顔は見えない。見えないけど…。無理に笑ってる。あたしを安心させようとして…。
「…幸…ごめ………。」
「何言って…何言ってんの!!」
ごめんって何?意味分からないよ…。
「……ずっと…傍に…って…約束……たのに……。」
「…何言って………。これからも…傍にいてくれるんでしょっ……!?」
陽の手を抱きしめる。今にも消えてしまいそうだったから…。
「…俺……幸とい…ら…れて……っ……。」
陽の言葉に、首を横に振る。
「…幸せ…った…。世界で一番…幸を愛して…る…。」
「あたしだって…あたしだって……っ…。」
涙が邪魔して、言葉に出来ない。
「……愛して……る…。」
陽はあたしの頬を、愛おしそうに撫でる。
「…あたしも…愛してる…。」
あたしの頬に触れる陽の手に、自分の手を重ねる。
「…さ…ち…………。」
陽の手が、ゆっくりとあたしの頬を離れていく。
時間が止まったんじゃないか…。そう錯覚してしまう程に…。
「急げ!!」
「出血が多い…脈は!?」
「心肺停止です!!」
陽の手が…温もりが消えてしまった。
あたしはそのまま、座り混んでいた。
涙は止まってしまっている。
「…………陽………?」
あたしは陽の名前を呼ぶ。もう返事は帰ってこなかった。
その場から動けずに、放心状態のまま座り込んでいた。
陽………?どうして返事をしてくれないの?
どうして………。