最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「…何…する…の…?」


あたしの言葉に、誰も答えてはくれなかった。



ブーッとブザーが鳴り響く。ちょっとしてから、何かが焼けるような音が聞こえてきた。



「…ぁ…ぁっ……………。」



頭が真っ白になる。血の気も失せる。



「………よ…う……?」



陽が…焼けちゃう…。陽が…陽が……。



「駄目!!やめてーっ!!お願いっ…やめさせてよ!!」



あたしは泣き叫んだ。



どうして…どうして陽に酷い事するの?



「陽っ!!」



何度も手を伸ばす。その手を握り返してはくれない。



陽………。あたしを置いて行かないで…。



「一人に…しないでよ…。」



ドサッ…

「幸っ!?」

「幸さん!!」



あたしは、その場に崩れ落ちるように意識を失った。







< 307 / 318 >

この作品をシェア

pagetop