最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「坂原先輩がくれた命を…あんたが捨ててどうすんだよ!!!」



七瀬はあたしの肩を掴んで体を回し、向き合うようにした。



「…あんたは……坂原先輩と一緒に生きてくんだ。坂原先輩の分も一緒に…もう、あんた一人の命じゃねぇーだろ……?」



陽と……一緒に………。この命は…あたしと陽の命…。



「…ぁ……っふ………うぅっ…。」



唇が震える。あぁ…もうすぐあたしは泣くだろう…。


「あんたは一人じゃねーよ…。俺は…ずっと見守っててやるから……。」



そう言って七瀬は、あたしを抱きしめた。



「…うぅっ…うぁぁっ…ふっ…陽っ…!!」



七瀬に縋るように抱き着いた。



陽……あなたはもう……。同じ空の下にはいないんだね…?



もう……抱きしめてはくれないんだね………?









< 312 / 318 >

この作品をシェア

pagetop