最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「と、とりあえず保健室か!?」


「…………坂原……?」



坂原の声に似ている。理由は分からないけど、そうであってほしいと期待している自分がいた。


「そうだ!!大丈夫か!?漣!」



心配そうな声。目が見えないと、その分相手の心を敏感に感じる。


坂原はあたしを心配してくれてるんだ。



今、自分がこうなって思い知る。失明をするという事は、自由が無くなるんだ。



自分の意思では動き回れない……。



ねぇ…神様……。あなたはなんて残酷なの。


運命を呪う。どうしてあたしなの?





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