最後の世界がきみの笑顔でありますように。


「…漣……まさか…見えないのか?」



ドキンッ


嫌な汗が背中を伝う。見えないのか?まさか…。気付かれた……?



「………………見えるよ。でなきゃ…本読めない。」


そう言って鞄を抱き抱える。強く、強く抱き抱えた。不安を拭い去るように。



「……そ、そうだよな!変な事言ってごめんな!体調は大丈夫か!?」



…………なんで…なんでよ……。


優しくしないで…。優しくしないでよ……。




「……………っ……。」


「あ!漣っ!?」



あたしはその場から逃げ出した。早く逃げてしまいたかった。他人の優しさを………。受け入れてしまう前に…。





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